「みなとみらいって、もともと博覧会の会場だったって知ってました?」
2027年の横浜花博(2027年国際園芸博覧会)が近づくにつれ、横浜がかつて大きな博覧会を開催していたことに気づいた方も多いのではないでしょうか。1989年、現在のみなとみらいのあの場所で、約1,334万人が訪れた「横浜博覧会」が開かれていました。
横浜博覧会1989(通称:YES’89)の全貌を紹介しながら、「万博との違いは何か」「成功だったのか失敗だったのか」という疑問にもお答えします。38年の時を経て同じ横浜で開かれる2027年の横浜花博との違い・つながりまでわかります。
横浜博覧会1989(YES’89)の基本情報・見どころ
「万博ではないのか?」という疑問への答え
跡地がみなとみらいになった経緯
2027年横浜花博との違い・共通点
横浜博覧会1989(YES’89)の基本情報
まずは、YES’89の基本データを整理します。名称・テーマ・期間・入場料など、よく調べられる情報をひとまとめにしました。
開催概要
横浜博覧会は、正式名称を「横浜博覧会」、通称をYES’89(Yokohama Exposition and Symposia ’89)といいます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 横浜博覧会 |
| 通称 | YES’89 |
| テーマ | 宇宙と子供たち |
| 開催期間 | 1989年3月25日〜10月1日(191日間) |
| 開催場所 | 横浜みなとみらい21地区(西区・中区) |
| 来場者数 | 約1,334万人 |
| 主催 | 財団法人横浜博覧会協会 |
| 入場料(大人・当日) | 2,800円 |
開催の背景 ― 横浜市制100周年・開港130周年の記念イベント
YES’89は、横浜市制100周年と横浜港開港130周年を同時に祝う記念事業として企画されました。会場となったみなとみらい21地区は当時まだ開発途上の埋立地で、博覧会はその「まちびらき」の役割も兼ねていました。
同じ手法は1981年の神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア’81)でも使われており、横浜もそれに倣って埋立地の開発と博覧会を組み合わせた形です。

海の上に街を作りながら博覧会を開くって、スケールが大きすぎる…!
万博との違い ― 横浜博覧会はどんな位置づけだったのか
「横浜博覧会って万博の一種ですよね?」という疑問はよく聞かれます。結論からいうと、YES’89は万博(国際博覧会)ではなく、地方博覧会に分類されます。
| 種別 | 例 | 主催 | 参加国 | 位置づけ |
|---|---|---|---|---|
| 国際博覧会(登録博) | 1970年大阪万博、2025年大阪万博 | BIE認定 | 世界各国 | オリンピック並みの国際行事 |
| 国際博覧会(認定博) | 2027年横浜花博、1990年大阪花博 | BIE認定 | 世界各国 | 登録博より小規模な国際行事 |
| 地方博覧会 | 横浜博覧会(YES’89)、1989年 | 地方自治体・民間 | 国内中心 | 国内の記念・振興イベント |
YES’89は国際博覧会条約(BIE条約)に基づく認定を受けておらず、純粋に日本国内の地方博覧会です。一方、2027年に横浜で開かれる横浜花博(2027年国際園芸博覧会)はBIEの認定を受けた国際博覧会で、世界各国が参加します。
この点が、YES’89と2027年の横浜花博の最も根本的な違いです。
YES’89の見どころ ― 当時の横浜を熱狂させたもの
バブル経済の絶頂期と重なったYES’89は、最新技術と大衆エンターテインメントが合わさった博覧会でした。191日間にわたって繰り広げられた見どころを振り返ります。
マスコット「ブルアちゃん」 ― 手塚治虫がデザインした幻のキャラクター
YES’89のマスコットキャラクターは、漫画の神様・手塚治虫さんがデザインした「ブルアちゃん」です。宇宙をテーマにした博覧会らしく、宇宙人のような愛らしいデザインが人気を集め、キャラクター商品の売上は20億円以上に達しました。



手塚治虫さんデザインって、それだけで特別感がある♪
残念ながら手塚治虫さんは1989年2月に逝去しており、YES’89の開幕(3月25日)を見届けることはできませんでした。ブルアちゃんは彼の遺作のひとつとなっています。
コスモクロック21 ― 当時世界最大級の観覧車は今も横浜に
YES’89を象徴するアトラクションが、世界最大級の大観覧車「コスモクロック21」です。直径100m・高さ112.5mという巨大さは当時世界最大級を誇り、博覧会の目玉として連日長蛇の列ができました。
博覧会終了後、コスモクロック21は1999年に現在のよこはまコスモワールド(中区新港地区)へ移築されて再稼働し、2026年現在も横浜のランドマークとして運行を続けています。YES’89の遺産が今も現役で活躍している、数少ない例のひとつです。


日本初のリニアモーターカー営業運転(HSST方式)
YES’89でもうひとつ歴史に残る出来事があります。日本初のリニアモーターカー営業運転が会場内で実施されたことです。
HSST(High Speed Surface Transport)方式と呼ばれるリニアモーターカーが、会場内の515mの路線を43km/hで走行しました。会期中の利用者数は約126万人に達しています。
現在の名古屋市営地下鉄東山線に使われているリニアモーター技術の先駆けとなったシステムで、日本のリニア技術の歴史にYES’89が刻まれています。
ゴンドラリフト・空中散歩
会場とそごう横浜店(現在のそごう横浜店)をつないだゴンドラリフトは、768mの距離を空中から眺めながら移動できるユニークなアトラクションでした。地上から見下ろす横浜港の景色が好評を博し、多くの来場者がこの空中散歩を楽しみました。
主なパビリオン
| パビリオン名 | 内容 |
|---|---|
| YES’89宇宙館 | 宇宙飛行士訓練体験、H-IIロケット展示 |
| 日石地球館 | IMAXシアターで恐竜テーマの映像上映 |
| IBM人間館 | 双方向劇場「THINKシアター」 |
| コスモワールド | 世界最大級観覧車コスモクロック21 |
会場内だけで一日では回りきれないほどのコンテンツが揃っており、バブル期の「豪華に、大きく、楽しく」という時代の空気が随所ににじんでいました。
横浜博覧会は成功だったのか失敗だったのか
「無料招待券を配って人数を水増ししたと聞いたけど、本当のところはどうだったの?」という疑問もよく見受けられます。
来場者約1,334万人という数字は、当初の目標1,250万人を上回る実績です。ただし、会期末の9月に入場目標を達成するために無料招待券を大量配布したことも事実で、9月だけで総入場数の3分の1が集中しました。
この点については評価が分かれますが、1989年というバブル経済の全盛期が後押しした側面は大きく、コスモクロック21をはじめとするアトラクションは連日にぎわい、グッズ販売も好調でした。跡地がみなとみらい21として発展したことを踏まえれば、都市開発の起爆剤として大きな役割を果たした博覧会と評価できます。
同じ横浜で2009年に開催された「開国博Y150」と比較されることがありますが、バブル期に開催されたYES’89とは時代背景が大きく異なります。



跡地がみなとみらいになったって考えると、やっぱり大成功だったと思う。
横浜博覧会の跡地 ― みなとみらい21が生まれるまで
博覧会が終わった後、会場跡地はどうなったのでしょうか。YES’89がまちびらきの役割を担っていたように、その後の横浜の発展と深く結びついています。
博覧会会場から「みなとみらい21」への変貌
YES’89の会場となったみなとみらい21地区は、博覧会後に本格的な都市開発が進み、横浜を代表するウォーターフロント(水辺の再開発エリア)へと変貌しました。2020年代には年間約8,260万人が訪れる街に成長しています。
博覧会の桜木町ゲート跡地には横浜ランドマークタワーが建設され、会場を走っていた貨物線の跡地は「汽車道」と「山下臨港線プロムナード」という遊歩道へと整備されました。
今も残る横浜博覧会の遺産
YES’89は終わっても、会場から生まれたものが今も横浜に残っています。
- コスモクロック21:1999年にコスモワールドへ移築、現在も稼働中
- 横浜美術館:1989年開館、2026年リニューアルオープン後も稼働中
- 横浜みなと博物館:前身となる帆船日本丸記念財団が博覧会期間中に設立
横浜美術館はYES’89と同じ1989年の開館で、博覧会と一緒に誕生した施設です。大規模改修を経て2025年に全館リニューアルオープンし、今も多くの人に親しまれています。
1989年の横浜博覧会と2027年横浜花博の違い・つながり
同じ横浜で開かれる博覧会として並べられることが増えてきましたが、YES’89と2027年横浜花博はかなり異なる性格を持っています。違いと共通点、それぞれ見ていきます。
テーマ・カテゴリ・規模の違い
2027年に横浜花博(正式名称:2027年国際園芸博覧会 / GREEN×EXPO 2027)が開かれます。同じ「横浜で開かれる大型博覧会」ですが、YES’89とは性格が大きく異なります。
| 項目 | 横浜博覧会1989(YES’89) | 2027年横浜花博(GREEN×EXPO 2027) |
|---|---|---|
| 正式名称 | 横浜博覧会 | 2027年国際園芸博覧会 |
| テーマ | 宇宙と子供たち | 幸せを創る明日の風景 |
| 開催期間 | 1989年3月25日〜10月1日(191日間) | 2027年3月19日〜9月26日(約192日間) |
| 会場 | みなとみらい21地区(横浜市西区・中区) | 旧上瀬谷通信施設(横浜市旭区・瀬谷区) |
| 分類 | 地方博覧会(国内イベント) | 国際園芸博覧会・BIE認定(国際行事) |
| 参加 | 国内中心 | 世界各国 |
| 入場料(大人・前売) | 2,800円 | 4,900円 |
2027年の横浜花博は国際博覧会条約に基づくBIEの認定を受けた国際行事で、YES’89とは規模・格が異なります。会場も、みなとみらいから南西に約10kmほど離れた旧上瀬谷通信施設(約100ha)へと変わります。



同じ「横浜の博覧会」でも、こんなに違うんですね。
共通点 ― 横浜の未来を描く起爆剤という役割
違いが多い一方で、根本にある文脈は共通しています。どちらも未開発・低利用の土地を博覧会の舞台にし、その後の都市開発の起爆剤にするという役割です。
YES’89は埋立地だったみなとみらいの「まちびらき」を兼ねており、博覧会後に横浜を代表する街へと発展しました。2027年の横浜花博も、旧米軍基地跡地だった上瀬谷の再開発と連動しており、博覧会後の街づくりが大きな注目点となっています。
38年前に横浜が夢見た未来がみなとみらいとして実を結んだように、2027年の横浜花博がどんな未来の風景を生み出すのか、期待が高まります。
よくある質問
- みなとみらいのロープウェイ(YOKOHAMA AIR CABIN)は、博覧会のゴンドラリフトと同じものですか?
-
別の施設です。博覧会のゴンドラリフトは1989年の会期中のみ運行した臨時設備で、横浜そごうからゴンドラゲートまでの768mを結んでいました。現在みなとみらいで運行しているYOKOHAMA AIR CABIN(桜木町〜運河パーク間)は2021年に開業した施設で、博覧会のゴンドラとは無関係の別物です。
- 開国博Y150とYES’89はどう違いますか?
-
どちらも横浜の記念博覧会です。YES’89は横浜市制100周年・開港130周年を記念して1989年に開催され、約1,334万人が来場しました。開国博Y150は横浜開港150周年を記念して2009年に開催されたイベントで、会場が市内複数箇所に分散していたこと、時代背景や規模感がYES’89とは異なることが特徴です。
- 横浜博覧会は赤字でしたか?
-
詳細な財務情報は公開されていませんが、来場者数が目標1,250万人を上回る約1,334万人に達し、グッズ販売も好調だったことから大規模な赤字にはならなかったとみられています。ただし会期末に無料招待券を大量配布した背景には、入場収入を補う必要があった側面もあり、財政的に万全だったかは当時から議論がありました。
まとめ ― 1989年の夢が2027年に続く
横浜博覧会1989(YES’89)は、バブル期の横浜で191日間・約1,334万人が訪れた地方博覧会です。手塚治虫さんデザインのブルアちゃん、日本初のリニアモーターカー営業運転、世界最大級のコスモクロック21など、時代を映す見どころにあふれていました。
万博ではありませんでしたが、みなとみらいという横浜を代表する街を生み出した点で、都市の歴史に大きな足跡を残しています。
そして38年後の2027年、横浜は再び博覧会の舞台になります。今度はBIE認定の国際行事として、「花と緑」をテーマに世界に向けて扉を開きます。旧上瀬谷の地がみなとみらいのようにどう変わっていくのか、1989年の記憶と重ねながら見届けてみるのも、横浜花博をより楽しむ視点のひとつかもしれません。
2027年横浜花博のチケット情報・購入方法や、2027年花博のキャラクター情報は別の記事でもまとめています。あわせてどうぞ。
【2027年】横浜花博チケットの購入方法を完全解説|種類・値段・記念チケットまで
横浜花博のキャラクター「トゥンクトゥンク」グッズ・コラボ情報まとめ
チケット購入を検討中の方は、公式サイトから最新情報を確認しておくとよいでしょう。
※この記事の情報は2026年4月時点のものです。最新情報はGREEN×EXPO 2027公式サイトをご確認ください。







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